2026/5/23 - 2026/5/25
Yesterday. III - fragments in tide -
& Recent Works
Coming soon!
Yesterday. III -fragments in tide- & Recent Works
私たちが思っているよりずっと早いスピードで、女性の時間は流転する。
特に、少女のあどけなさがほどけ、大人の女性の雰囲気を纏い始める19歳から20歳は、最も繊細で重要な時間だと思う。
その過渡期を、私は一年間見つめ続けた。
本作『Yesterday. III』は、モデル・朝比奈ヒナタとの日々を綴った私小説的ドキュメンタリー・ポートレートである。
撮影期間は2021年9月7日から2022年9月27日。
コロナ禍という未曾有の閉塞感に包まれ、人々の行動が制限された頃だった。
そんな中で私たちが撮影したのは、合計約8,000ショットに及ぶ。
当時の都会の喧騒や紅葉、イルミネーションといったロケーションは、時節柄少し控えめだったように思う。
それでも、冬の海辺は夕焼けに染まっていたし、広い川岸の水面は輝いていた。
私が記録したかったのは、単なるモデルの容姿の変遷ではない。
外出もはばかられるような世相の中で、レンズの向こうには揺れ動く感情の潮汐があった。
見出した希望も、葛藤も、時には途方もない静寂すら見せた。
コロナ禍で変革期を過ごす彼女の表情が、いつも違っていたことを思い出す。
それらの記録は波間に漂う欠片(fragments in tide)となって積み重なり、ひとつの結末、あるいは新たな旅立ちへと流れ着いたのである。
そして本展では、この記録の完結とともに、私の現在地を示す最新作『& Recent Works』を同時展示する。
ここには、私の写真家としての歩みを支えてきた三人のモデルとの近作をピックアップした。
代表作である2024年の個展『Yesterday.II』に出演したUmi、次回の個展での出演を予定しているChimu、そして2025年の個展『OK,I AM...』シリーズで独自の印象を残したMaiko。
2025年から現在までで彼女たちと紡いできた作品群は、『Yesterday』シリーズが内包する「時間の蓄積」というテーマとはまた違った色彩がある。
過ぎ去った「昨日」の集積が、「今日」の彼女たちを、そして私という撮影者を形作っているということを確かに感じさせる。
『Yesterday.III』が描く過去の残響と、『Recent Works』にみる現在のまなざし。
その二つが交差する空間において、写真が捉えうる『持続する生(Durational Portraiture)』を感じ取って頂けたなら幸いである。
アッシュ・クワタバ